ミズバショウ群生地にて 2023/4/19
2023/4/19
岩手県西和賀町の安ヶ沢へカタクリを見に行きました。が、あまり咲いてなかったので近くにあったミズバショウ群生地へ足を運びました。
初めて訪れた場所でしたが、タイミングはバッチリだったようで白い苞が肉穂花序を覆っているベストな状態で観察できました。
北上市のざぜん草の里を思い出させる、とても良い眺めでした。ミズバショウの群生地には何度か足を運んだことがありますが、どこも独特な臭気を感じます。気のせいではないと思いますが、サトイモ科によくあるあまり良い匂いではないですね。ただ、特徴の一つだとするのならば面白いと思います。
眺めは素晴らしいものですので、シーズン中に一度はミズバショウ群生地に足を運ぶことをオススメします。
初夏の散歩 2021/7
≪注意≫
本ブログは投稿主(とあるキノコ好き)が己の知識と図鑑やネットの情報を参考に考察してまとめたものです。実際の同定に利用できるものではありません。キノコの正確な判別は経験者でも間違えることもある難しいものです。慣れない内はベテランの方に付き添ってもらうなどして、素人判断での採取・喫食は控えてください。近年になっても毎年のように事故は起きています。読者の皆様には間違っても被害者(キノコ的には加害者)になってほしくはないのです。
なお記事内容に訂正・補足がある場合はコメントなどでご指摘いただきたく存じます。
2021年の7月のお話です。
春が完全に終わり夏が始まるというあたり。天気の良い日もそこそこ多く気温もちょうどいい。まさに散歩日和です。こういう日は朝起きてから散歩するに限ります。5時くらいに起きて着替えたら速攻でいつもの道を散歩します。どんな出会いがあるのか、同じ道でも毎月毎週景色は移り変わるので毎回変わった出会いが楽しめます。
この時期から目に見える形でシーズンのキノコがポコポコ出始めます。
まず真っ先に出会えたのはハナオチバタケ。広葉樹林の内の落ち葉の中や落ち枝の中に群生するキノコとされていますが私はよく梅雨明けのカラ松林周辺の道路及び落ち葉が積もってるところで見かけます。写真だと分かりづらいのですが非常に小さいキノコで見つけるのに苦労します。色が鮮やかだから見つけられると思われるでしょうが、よほど下見ながら歩いてないとほぼ100%見逃すでしょう。
特徴としては薄い肉質と硬い柄です。傘は薄いですが柄はガチガチ(に思えるだけかも)です。傘には放射状の溝があります。残念ながら食べるのには向いてないので諦めましょう。
それよりも彼らは森の中の落ち葉を分解する能力に長けています。森の掃除屋さんですね。掃除のプロです。お仕事中のようでしたので余計なことはせずに散歩を再開させました。
ドクウツギです。有名なトリカブトやドクゼリと並ぶ日本三大毒草の一つです。つまり猛毒。その毒性と危険性ゆえに駆除の対象とされ数を減らしている植物の一つになってしまっています。危ないのは確かですが向こうから攻撃してくることはありませんので見つけても放ってあげてください。余談ですが現在私は個人的にドクウツギの増殖に取り組んでおりまして、その様子はまた別の記事にて紹介しようと思います。
アケビの実です。秋になるまでは我慢しましょう。
ここにもキノコ。道路脇です。なんのキノコかはわかりません。
クリの実が出来てきている最中です。触っても痛くない。
しどけの花が咲きそうでした。しどけとは何かって?モミジガサという植物です。しどけは山菜名でしょうか。こっちの方が通じます。山菜の王様とか女王様とか言われていますが私は食べるのが好きではないのでスルー。ちなみに余談ですが現在個人でしどけの増殖技術の開発を試験しています。
ネジバナ。お馴染みですね。このネジバナを研究されている方もいるらしく、世界って広いんだなー、いろんな人がいるんだなーなんて思いました。
ナワシロイチゴ。ノイチゴと呼ばれるものの仲間です。ジャムにして食べるなど、いろんな楽しみ方があります。コイツは私のおやつになりました。味は酸っぱくてとても美味しいとは言えませんが食べれるだけマシと思いましょう。
ヤマユリ。花を咲かせるのはイメージでは9月でしたが実際のところは7月なんですよね。こんだけ大きな花を咲かせられると見ないわけにはいきません。花の香りも漂わせていまして、嗅ぐと幸せな気持ちになります。後花粉は服につけないように気をつけましょうね。
ドクウツギの熟した実です。まるでぶどうみたいですよね。食べたくなる気持ちわからないでもありません。殺鼠剤に使えないかな?
そんなこんなの出会いを楽しみながら歩いていると視線の先に見覚えのある赤い物体が目に入ってきました。「この時期だからまさかな…?」と期待半分疑い半分で近づくとそこには憧れの君で有名なタマゴタケ様がいらっしゃいました。タマゴタケはテングタケ科のキノコです。この時期いろんな人たちが血眼になって探してSNSに発見の報告をします。私はそれを見て楽しんでます。かくいう私も「今年もまた出会えるとは、やれやれ俺たちが出会うのは運命なんだな」とやや厨二病的に再会に胸を躍らせます。
タマゴタケって他の人の動画とかブログとかみると公園で見つけた!ってケースや反対に山の中で見つけた!って投稿があって比較的見つけやすいのかなとは思いつつも私はまだ数カ所しか生える場所知らないんですよね。しかも毎回道路脇っていう。一周回ってタマゴタケ道路脇の草むら大好き説が今自分の中で濃厚になっています。
エゾゼミの仲間でしょうか。背中にw又はmの模様があります。エゾとつきますが北海道以外にも分布はしています。ギーって鳴きます。
ヤブカンゾウ。若いうちは食えるみたいですが私は食べません。食べてみたい気持ちはありますがね。花は独特で綺麗です。八重咲きだからですかね。それにしてもカンゾウって響きがいいですよね。別名ワスレグサらしいです。ワスレナグサじゃないですよ。ワスレグサです。意味はわかりません。
そんなこんなで散歩を終わらせ農作業だったり自然観察会だったりしてきます。仕事は休みなんですけどこの時期はやることたくさんあるんでなんやかんや身体は毎日フルで使ってるんですよね。でもまぁ、こうして楽しく出会いを楽しめるならそれでいいかって思ってたり思ってなかったりします。
おしまい。
鉢でテンナンショウを育てる 2021年編
2021年春。雪解け直後。庭先でこんなものを発見しました。
なんだこれは?イモか?と不思議に思っていた時ふと思い出しました。前の年に家の近くに生えていた野生のマムシみたいな植物を研究のため持ち帰って庭先に放置したんだった!
いやまさか適当に放置していてイモのまま越冬すると思いませんでした。いくら雪が降る地域とはいえ腐らずに春を迎えたことは賞賛に値します。
興味が出てきたのでこの謎の植物を育ててみることにしました。山野草に適した培土をうまーくブレンドして鉢に芋を植えます。
5/8。芽が出てきました。米粒より小さいです。
5/15。微妙に伸びてる…?
5/22。はっきりと伸びてるのがわかります。
これを機にコイツの写真は途絶え私の記憶の中にのみ生き続けることになります。
気を取り直して、イモはまだありました。放置していたイモからまさかの本体がにょきにょきとはえてきました。これはヘビのようで不気味ですねー。
よくみるとまさかの逆さまでした。植物の底力を見た気がします。これで大丈夫なのか?とも思いましたが無理に伸ばすと折れて逆効果なので個性として受け止めて責任を持って最後まで育てることにしました。
鉢への移植の様子↑
イモが隠れていい感じですね。
こちらが野生のやつ。コイツらの仲間には絶滅危惧種も沢山いますが大量にあるやつもいます。コイツらは引っこ抜いてOKです。まだまだありますし、場所を移すだけで命を奪うわけではありません。
と、このように鉢植えにしてみるとどうでしょう。
かわいいではありませんか。個人的には好きです。
野生下のものと大きさ比べ。野生だからか栄養があるからかわかりませんがだいぶ大きさに差がありますね。
今更ですが調べてみると彼らはマムシグサという植物の仲間で通称テンナンショウ(天南星)というらしいです。ちなみにサトイモ科です。
面白い生態をしているので今度また別の記事でご紹介したいと思います。
鉢で育ててみて思ったのは、鉢花としての活躍の可能性は十分にあるということです。まだまだマイナー、といいますか厳密にはウラシマソウをはじめ園芸種入りしてるお仲間はあるんですがマニアックすぎて一般的ではないのでいろいろやれる幅は広そうだなと思いました。
植物としても魅力あふれる生き物なのでその辺もいろいろ関わっていきながら発信していこうと思います。
(この経験が後に起こる大きな出来事へとつながる第一歩だということを当時の私は知らない…)
なお、このテンナンショウの仲間にはいろいろ種類があるらしく素人目には何がどう違うのかよくわかりません。私個人的にはキタマムシグサ、コウライテンナンショウの仲間ではないか?と思っていますがどうなんでしょうね。専門家の方、助けて〜
おしまい
ブログ名変更のお知らせ
ブログ名を変更しました。
キノコ暮らしproject→キノコとか草花とか
変更の理由はprojectにしていると堅苦しいというか気軽さがないなってことで自分の首を自分で絞めてる感じがしたのでもっとさりげない名前にしようと思ったのがきっかけです。
中の人は変わらないです。更新がしばらく滞りましたが少しずつ投稿していけたらなと思います。
投稿しようと思って溜めていたものも多いので。
天然ナメコ狩りに挑戦してみよう〜初級編〜
はじめまして。
キノコ暮らしproject代表のテツといいます。
普段、キノコとは全く関係のないことしていますが趣味の自然観察の一端にキノコ観察がありまして、休日なんかは山や森、林に公園などの身近なキノコスポットに足を運んで楽しんでます。
さて、今回は味噌汁に入れると美味しくて滑りの強い、スーパーでもお馴染みのあのキノコについて話していこうかな〜と思います。
既におわかりの方も多いでしょう。
濁すまでもありませんでした。
そうです。今回のメインはナメコです。
一つ、アクセントを加えるならば[天然]という表現を付け加えましょう。
栽培ものが流通している今、ナメコは簡単に手に入るキノコになっています。しかし天然物を発見するとなるとそれ相応の知識と経験が必要になってくるキノコです。これは他のキノコにも当てはまることですが、発生時期と環境選びが悪いと出会うことはできません。
今回の記事では天然ナメコ狩りに挑戦してみようということで、初心者向けに天然ナメコを採りに行くための基礎知識を伝えていきたいと思います。
それでは、天然ナメコがいつ、どのような環境で発生するのかを少しばかり解説していきます。
まず、天然ナメコ狩りをする時期、つまりはシーズンですが、これは晩秋になります。
東北なんかでは早くて10月下知、ピークは11月上中旬です。雪が降ってからでも発生しています。他のキノコ、それこそマツタケやマイタケなんかに比べるとだいぶ遅い時期に発生します。エノキタケやヒラタケよりは少し早い時期をイメージして下さい。
目安は紅葉と落葉がいい感じに進んでいるころです。したがってナメコ狩りの時期はほとんどの木が紅葉で黄色や赤色に葉を染めていたり、すでに落葉して林間が枝まみれになっていたりしています。
林床もほとんど草本が消え失せ、枝と倒木、湿った落ち葉くらいなものです。晩秋のキノコ狩りは非常に歩きやすく、サクサク歩けるのがポイントです。
天然ナメコの発生時期について解説しましたが、次は発生する場所について解説します。
天然ナメコは腐生菌、簡単に言うと木を分解する役割を担っているキノコです。と、いうことは木から発生します。
ではどのような木に生えるのか?自然条件下ではブナやイタヤカエデ、ナラの木を好んで生えています。
参考までに、原木栽培なんかではやはりブナやイタヤカエデなどと非常に相性がいいみたいです。他の樹種にも好き嫌いはあれどある程度発生できるみたいです。なんとマツからも発生できるみたいです。
基本はブナとイタヤカエデ、コナラあたりを狙っていくのがいいと思います。私はブナをメインに狙っています。
立ち枯れした木と倒木の両方に発生します。
したがってナメコを探す場合のフィールド選びですが、ブナ帯の林や広葉樹林内を選択し、さらに水分を多く含んでいそうな沢沿いなどを散策しましょう。もちろん山に入る際は所有者に許可をとることを忘れないようにしましょう。
探すポイントのヒントとしては弱っている立ち枯れした木や、沢沿い(水っぽいところ)の倒木、森林内の苔むした倒木などを探してみるといいかもしれません。
さらにヒントをいうと、発生時期がムキタケというキノコとかぶっており、発生する場所も似通っていますのでムキタケを見つけると近くにあるかも!と思って探してみることをオススメします。
このような場所をくまなく探すと、シーズン中であればそれなりの確率で天然ナメコに出会えます。
苔むした倒木に輝きながら群生するナメコは見事なものです。
最後に天然ナメコ狩りのポイントをおさらいしましょう。
①時期:晩秋
②場所:ブナ林、広葉樹の林
③条件:立ち枯れした木、沢沿いの倒木など
晩秋のブナ林や広葉樹林で立ち枯れした木や水分を多く含んでいる場所にある倒木を狙ってみると生えている確率が高いです。
天然ナメコは比較的山奥のキノコなので簡単には見ることのできない、キノコ狩り中〜上級者向けのキノコではありますが、ポイントを押さえておけばある程度楽に発見できるキノコだと思います。
是非、天然ナメコを探す際の参考にしてみてください。
なお、キノコ狩りの際は山の所有者に許可を取るであったり、乱獲を防ぐために一定数残し次世代に繋げるであったり(全部採らない。何割か残す工夫をする。)と、自然への配慮を忘れないようにしましょう。
マナーを守って、安全に、人と自然とが共存できるような関わり方を前提にキノコ狩りを楽しみましょう!
この記事を読んでくださった方が正しく知識を活用し、楽しんでキノコ狩りを行い、キノコと関わってくれるようになることを願います。
閲覧ありがとうございました!
TwitterやInstagram、YouTubeや noteなどにも取り組んでいます。フォロー、いいね!していただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
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キノコ狩り報告 天然マイタケ編 2020/10/10
はじめまして。テツと申します。
キノコ暮らしprojectという、中山間地域の子供達に自然の大切さや面白さを伝える企画の代表をしていますが、現在は特にこれといった活動は行っていません。
趣味はキノコハンティングで、休日や隙間時間は山に登って天然のキノコを探して歩いています。山菜も採ったり採らなかったり。
他にも山野草観察や地域の生き物の観察が大好きで定期的に地元の自然観察会に参加したり、散歩しながら四季折々の生き物の変化を楽しんだりしています。
今回のレポートでは、2020年の天然マイタケ狩りを振り返りまとめてみようと思います。
が、振り返る前に一つ質問です。
みなさんは天然のマイタケを実際に採りに行ったことや目撃したことはありますか?
私は以前Twitterを通して天然のマイタケを見たことがあるかどうか、アンケートをとったことがあります。アンケート内容と結果は以下の通り↓
アンケートの結果、天然のマイタケを見つけたことはないけれど、見つけてみたいという人が多いことがわかりました。
一般的にマイタケ採りに山奥まで行く人なんてあまりいませんよね。現代ならなおさら。
マイタケという名前の由来は見つけた人が発見できたことに感動のあまり舞ってしまうことから名付けられたと言われています。
人工的に栽培できるようになった今、当たり前のようにスーパーで購入できるキノコとなったマイタケですが、今も昔も天然物の希少さや発見難易度の高さは変わりません。
スーパーで気軽に購入できるキノコを、わざわざ危険を冒してまで山奥まで採りに行く人というのは余程の物好きという印象が今の時代は強いかもしれません。
しかし、天然マイタケは未だにキノコハンターの憧れであることは間違いありません。
天然マイタケの価値は非常に高く、サイズにもよりますが高単価で取引されますし、香り・味ともに栽培物を大きく上回る評価を受けているのも現状です。
今回まとめるのは、そんな天然のマイタケに出逢いに行った際のお話です。
1.きっかけ(〜そもそも予定になかったのに〜)
2020/10/10、この日私は予定ではコウタケというキノコを狙って山に行くつもりでした。10月半ばはコウタケのベストシーズンなので例年通り収穫もしくは生えてるかチェックや下見だけでもしておこうと思っていたのです。
前々から父親と行ってみる計画を立てていたのでそれを実行するつもりでした。
しかし、私と父が山に行ってくる〜と家族に伝えたところ祖父が危ないからついて行くと言い出しました。
さらには「俺(祖父)が案内する」と。
人が多い方が安心できるので嬉しかったのですがどうやら行く先が予定と違う。
どこに向かってるか聞いたところ、とにかくいい場所だと。なんとなーく嫌な予感がしはじめたのを思い出します。
2. 天然マイタケ探しはじまる(〜まさかのマイタケ〜)
軽トラに揺られながら移動すること数分、目的地に到着したみたいなので降りるとそこは山。適当に登り口を見つけ藪をかき分け山の奥へと入っていきます。ちなみにこの時午後1時。普通この時間帯からキノコ狩りをするのは危険なのでお勧めしません。
この時祖父に今日の狙いは何なのか?と尋ねたらやっとマイタケであることを伝えられました。
「それなら早く言えよ」と思いつつも内心天然マイタケ狩りは初めてなので非常にワクワクしていました。
でもマイタケにしろマツタケにしろ、珍しいキノコのありかって家族にすら言わず墓場に持ってくってよくいいますよね。
どうやらうちは教えてくれるようでした。
素直に教えてもらえる、体験させてもらえることに感謝しながら五感を通じて天然マイタケ狩りを学ぶことにしました。
それにしても山の斜面と藪のひどいことひどいこと。「こんなとこ人来ねーよ」なんて思ってしまいます。
雑技とササのコンボが容赦なく視界を遮りつつ体をビシバシ攻撃してくるのでしんどい部分もありました。
3.開放感(〜ブナ林はいいよね〜)
ある程度藪のある斜面を登るとそこは一転して余計な雑技のないブナ帯に入ります。
ブナ帯では不思議なくらい、怖いくらい打って変わって視界が開けます。
面白いくらい開放感があります。
枝や笹という障害物がなくなり、スムーズに歩けることに爽快感を覚えました。
林床には数多くのキノコや植物たちが生息しています。
苔むした木から生えてた硬質のキノコ。
熊の爪痕?油断はできません。
カバイロツルタケでしょうかね。
やや黒み、こげ茶が強い個体に思えます。
テングタケの仲間で有毒キノコです。
この森には天使が舞い降りていました👼
純粋なドクツルタケかどうかはわかりませんが、その辺のキノコであることは間違いなさそうです。
食べればおさらばです😇
純白の天使と大きさ比べ。
はめていた手袋との大きさを比較しました。
やはり、大きいですよね〜
木の割れ目から発生していた小さめの可愛いキノコたち。
落ち葉ロード🍂
蜂さんの巣がありました。
何の巣でしょうね?
とこのようにたくさんの植物やキノコに恵まれたブナ帯を爽快に疾走ていましたがその時はきました。
4.悲報(〜藪の道、再び〜)
結局のところ、キノコ狩りって甘くないんですね。
さっき藪から解放された!と思ったらすぐこれなんですから。
またしても藪まみれの道を歩むことになります。
しかもさっきよりひどい。
藪をかき分け、アップダウンを乗り越えながら30分近く歩きます。
5.先が見えない(〜さらに登るってさ〜)
そしてここからさらに上に100メートル(200かそれ以上かも)登るらしいです。登りましたが。
なかなかいい斜面だねぇ…
角度もあるし、登りがいあるじゃねえの。と強気になって斜面を登ることに。
写真では伝わりにくいかもしれませんが、おそらく想像以上に角度あります。
それこそその辺に生えてる木を掴みながらでないと登ることはできません。
うまく足場を踏み外さず、かつ間違えて脆い枝を選ばず頑丈な枝を掴んで登るスキルが求められます。
光沢のあるカサ。クサウラベニタケと見て良さそう。毒なので手をつけませんでした。
立派な大木。ここまで成長するのにどれほどの年月を用いるのでしょう。この木はこの場所で何十年何百年とこの地を見守ってきたと想像すると、自然の力って凄いと驚かされます。
太くて立派。
おや、お初のキノコがありました。
素人判断なので食べることはしませんでしたがどうやらウラベニホテイシメジっぽいです。
先程のクサウラベニタケに似ていますが、こちらは食べれるキノコで傘に指で押した後のような班があるのが特徴です。
柄が太くてしっかりしていますね。クサウラベニタケにはない特徴です。
とはいっても個体差は十分ありますし、素人判断は危険。今回キノコに詳しい人は同行していませんでしたし、時間も限られてるのでスルーさせていただきました。
5.ついに発見(〜はじめての天然マイタケ〜)
おおよその目的地に到着しました。ここからは徹底的に怪しい木の根元付近を探しはじめます。
狙いは大きなミズナラの木。くまなく狙いの木を観察していると…
発見しました!マイタケです。
天然の、マイタケが目の前にありました。
初めて自分で見つけた天然のマイタケ。
大きなミズナラの木の下に株になって生えていました。
舞うほど嬉しかったのですが、舞ったら足元のバランスを崩して谷底へ転がり落ちることが目に見えていたので舞わずじまい。
なお、発見したのより大きいのもあったみたいですが誰かにナイフで採られていたようでした。ナイフで切り取られた後を見る限り大物…。残念…というより、ここをピンポイントでくる人がいるのかよ!とプロのキノコハンターの実力を思い知らされました。
マイタケ狩りが完了した後、何やかんやありながらも無事下山することができました。10月は暗くなるのが早いですからね。急いで下山しなくてはなりません。登り始めたのが1時でマイタケ発見が3時頃、下山完了が4時頃でした。いやぁギリギリの大冒険笑。
キノコ狩りは安全と正しい時間配分が大事ですからね。無鉄砲に午後からマイタケ狩りに行くなんてこと、素人は絶対やってはいけませんよ。
スギヒラタケにも出会ったよ〜
6.天然マイタケ狩りを終えて
と、まぁこんな感じで私の親子3代マイタケ狩りは無事終了しました。
なんやかんや天然マイタケを採りに行ったのは始めてでしたからね。いい経験出来たな〜と思っています。
やはり見つけた時は感動しました。天然物にはスーパーで売られているものとは遥かに違う何かがありました。
何より山奥の秘境に苦労してたどり着いた先にあった天然の宝物という存在と出会えたこと。そして親子3代で一つの宝探しを行えた喜びが一番大きかったと思います。
それはさておき、今回のキノコ狩りでは約800gほどの天然マイタケが採れました。量は決して多くありませんでしたが、はじめての体験という観点からみれば十分なのかなと思います。
20歳前にして天然マイタケ狩りというキノコハンターにとっての一代イベントに参加できたことに非常に喜びを感じました。
今年はこの一回しかマイタケ狩りは行っていません。来年以降は経験と知識を少しずつ増やしながら自分で天然マイタケを採取できるスキルを身につけたいと思っています。
収穫したマイタケ(天然物)
7 終わりに
ここまで記事を見てくださった皆さん、ありがとうございます。リアルなキノコ狩りってどんなの?って気になる方もいるかと思って、一つのキノコ狩り体験談の例として投稿させていただきました。
今後も定期的に2020年のキノコ狩り振り返りシリーズを投稿していく予定です。「このキノコ紹介して!」「この野草についてどう思う?」などなどリクエストや質問等有ればいつでもしてください。
また、TwitterやInstagram、noteや YouTubeもやっておりますので、是非フォローしていただけると嬉しいです。リンクは最下段に貼っておきます。
最後は今回登場のキノコを振り返って終わりましょう。
[カバイロツルタケ]
夏から秋にかけて広葉樹林内に発生する。
テングタケ科だがツバがないツルタケファミリーの仲間で、ツルタケを焦茶色にしたような見た目をしている。毒キノコなので興味ない人は相手にしない方がいいかもしれない。今年はよく見かけた…
[ドクツルタケ]
別名[破壊の天使]の異名を持つ猛毒キノコ。毒、という表現が好きな人なら知っているかもしれない。
夏から秋にかけて森に生える。というかいろんなところに生えるため遭遇率高め。
迷ったら白い野生キノコは食べない!を意識しよう。
[クサウラベニタケ]
イッポンシメジ科イッポンシメジ属
日本で最も食中毒事例が多いキノコの一つ。
毒性は強いが死ぬほどではないとされる。
地味な見た目で食欲をそそられるが食べてはいけない。「キノコを食べたければ勉強するんだな」と訴えていそう。
[ウラベニホテイシメジ]
イッポンシメジ科イッポンシメジ属
一つ上のクサウラベニタケの親戚のようなキノコ。
クサウラベニタケと比べると柄が忠実でしっかりしていたり、傘の表面に指で押したあとのような班があったりするなど違いがある。
食用となるが、このキノコとクサウラベニタケやイッポンシメジを間違って食べ食中毒する例が後を絶えないのでオススメはしない。
[マイタケ]
マイタケ属
秋、ブナ科の大木の根本に発生する。
スーパーで栽培ものが売られ、出回っているため知名度が高い。野生ものの発見と採取は熟練の技と知識を要するため難易度が高く、重宝される傾向にある。一度は採りたい野生マイタケ〜♩
[スギヒラタケ]
キノコにしては珍しくスギやマツをはじめとした針葉樹の古い切り株などに発生する白いヒラタケのような見た目のキノコ。
過去食用とされてきたが、近年では毒キノコ扱いされているため食べるべからず。
スギヒラタケについて詳しく知りたい方はこちら↓
[考察]我々はスギヒラタケをどう捉えるべきか|テツ《キノコ暮らしproject代表》|note
以上で今回の投稿を終わります。長い間ありがとうございました。次回以降もよろしくお願いします!
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2020/10/15 キノコ嫌いなキノコハンターがイタリア料理店でキノコを食べるお話
はじめに
はじめまして。キノコ暮らしproject代表のテツです。
代表といっても特に何かしているわけではありません。
私はただのキノコ好きな20歳(2020/10/15時点では19歳)です。後述しますがキノコを見たり調べたりするこは大好きなのですが、食べることに関しては苦手という面倒くさい一面があります笑
現在はキノコをはじめとした地方の生き物達、自然の面白さを伝える活動をちょこちょこ行ったり企画したりしています。
ブログもやってはいたんですが、飽き性ゆえ長続きしませんでした。そのためしばらく放置期があったのですがこの度2020年に経験した面白いことをブログに投稿してみることにします。
今回は2020/10/15にあった出来事、イタリア料理店でキノコ料理を食べてみた!について記事を書いていこうかなと思います。
同様のネタをnoteにも投稿予定ですので、よければ両方とも見ていただけると嬉しいです😄
さて、本題に入ります。
私はこの日、岩手県盛岡市にあるイタリア料理店ドゥエマーニを訪れました。
場所とお店の詳細は以下のリンクよりご確認下さい。
ドゥエ マーニ(岩手県盛岡市紺屋町/イタリア料理) - Yahoo!ロコ
なぜしがない20歳前の学生がこんなリッチなリタリア料理店を訪れたのか?と疑問に思うかもしれませんが、今年キノコ関連でご縁があった方々からイタリア料理店で本格的なキノコ料理を食べようと誘われていたのがきっかけなんですね〜
つまりは食事会です。
私はキノコ見るのは好きでも食べるのは昔から大嫌いで、この話を聞いた時正直抵抗があったのですが人生は経験を積んでこそだと考えキノコ料理を味わってみることにしたのです。
お店の雰囲気などに関してはnoteに少し詳しく書いておくため今回は割愛します。
まず初めに出てきたのが
コウタケと里芋のキッシュ(上)とヤマドリタケモドキのヌーディ(下)です。
コウタケと里芋のキッシュはサクサクの生地とホクホクな里芋の食感が味わえました。さらにコウタケの香りが美味しさを沸き立てるアクセントとなり絶品でした。
ヤマドリタケモドキのヌーディは全体的にふわふわで口の中でとろける旨みが楽しめます。
加えてヤマドリタケモドキの森を感じさせるような深い味わいと香りが襲ってきて大変美味でした。
ちなみにコウタケとヤマドリタケモドキはどちらもややマイナーですが日本を代表する高級キノコです。
基本的に両者ともお店で購入するのは難しいかもしれませんね。
続いてはクロカワとキジガシラ大根のリゾットです。
もちもち食感のリゾットの中にほろ苦いクロカワとキジガシラ大根が入っています。
ほろ苦いといいましたが、クロカワはかなり苦いです。でも不快な苦さは一切なく、むしろクセになる不思議な苦さでした。
今までに経験したことのない苦さ、美味さに驚いたのを覚えています。
クロカワはキノコらしくない名前ですがれっきとしたキノコで、コウタケに近縁な種類のキノコです。
黒い見た目と苦味が特徴で、コウタケよりマイナーながらも一部地域や人に人気があり、親しまれているキノコです。
次にヤリイカと天然マイタケのニョッキという料理が出たのですが、こちらは写真を撮影し忘れてしまったため省略します。
私はヤリイカ(特に海産物系)も天然マイタケも基本苦手というか嫌いな領域なのですが、この料理は不思議と美味しくいただくことができました。
苦手な食材を美味しいと思って食べることができた自分と食材、料理を作った料理人の方に驚きました。
メインディッシュは小鹿の腿のロースといろんなキノコでした。
いろんなキノコ、というだけにいろんなキノコが入っていました。何種類、また何というキノコが入ってるかまでは覚えていません。
この小鹿の肉も初挑戦でやや抵抗がありましたが程よい柔らかさと野生の風味があって美味しくいただけました。
野生の風味、を言葉で表現するのは難しいのですが、普段好んで食べている豚や牛、鶏といった家畜の肉とはまた異なるおいしさ、風味が味わえました。不思議な感触でした。
最後、デザートに出たプリンですがこれがまた衝撃です。
なんとこのプリンの中にキノコが入っていたのです!驚きですよね笑
その名もコウタケのプリンです🍮
前半に出てきたあの香り高き高級キノコとプリンのまさかのコラボ!!
普通、キノコとプリンが混ざったら不味そうって思うじゃないですか。
ところが、どっこい!
コウタケとカラメルソースのほろ苦さが抜群に噛み合い、プリンの甘さを引き立てて非常に美味しかったのです。
私の予想を遥かに上回る美味しさに感動しました。
キノコとデザートがコラボするなんて、思ってもいませんでしたから。
さすがにこの味を家庭で出すのは不可能だとは思いますが挑戦するのはアリかもしれませんね。
ごちそうさまでした〜とお話しやお会計を済ませて解散した後お店の写真を撮りました。
夜の盛岡市(駅前のような盛り上がりはないが)とお店のライトの照り具合が妙にレトロチックで懐かしい気分になりました。
今回の食事会ではこれまで苦手としていたキノコの新たな一面を知ることができました。
料理によってキノコは美味な食材へと化ける!ということです。
本当に不思議なくらい抵抗なくキノコを食すことができたのはこの時が初めてです。
嫌いなキノコを初めて好きになれました。
これも全てキノコを知り尽くした料理人にのみできる技なのだと。そう思います。
キノコの種類による料理への特性を理解した人でない限り美味しいキノコ料理って作れないと思います。天然のキノコであれば尚更です。
その技術を存分に味わうことのできた貴重な機会でした。
今回の料理はそれこそ秋というキノコが旬の食材として味わえるシーズンかつキノコ関連の仲間が揃ったからこそ味わうことができたもので普段から味わえるようなものではないです。
しかし、来シーズンも再び旬のキノコ料理を味わってみたい、他の人にも是非味わってもらいたいと思う出来事でした。
みなさんも是非イタリア料理店ドゥエマーニで料理を味わってみてはいかがでしょうか?
また、天然のキノコという摩訶不思議な食材をプロの手で料理されたものをいただいてみるのもいい機会だと思うので機会に恵まれた方は是非遠慮せずに堪能してもらいたいと思います。
[キノコ紹介]
今回の料理に出てきたキノコを紹介します。
[コウタケ]
イボタケ目マツバハリタケ科コウタケ属
秋に松をまじえた広葉樹林内に列を作って群生するとされるキノコで香りが高い食用菌として珍重される。
[ヤマドリタケモドキ]
イグチ目イグチ科ヤマドリタケ属
夏から秋にかけてブナ科を主とした広葉樹林内などに発生する。
近縁種にヤマドリタケというキノコもあるが日本におけるヤマドリタケの発生は稀とされ、基本的にヤマドリタケモドキの方が親しみがある。
どちらもポルチーニとされ珍重される食材である。
[クロカワ]
イボタケ目マツバハリタケ科クロカワ属
秋にマツやモミなどの林の地上に発生する。
黒いので見つけづらい。標高や地域によって個体差があるらしい。
ほろ苦くやや癖があるのが特徴。
今回は以上3つのキノコを簡単に紹介して〆ようかと思います。
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